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スポーツバイク・ハイロード
「3Tのパーツ、取り扱い開始」

作成2010/11/27(同29日補訂)

イタリアのパーツブランド「3T」(スリーティー、またはイタリア語読みでトレッティー)の取り扱いを始めました。フィッティングに使いやすい製品、トライアスロンなどにも使いやすい製品などいろいろあります。

3Tはもともとイタリア北部の工業都市トリノに本拠を置くTecno Tubo Torinoという会社で、ハンドルバー・ハンドルステムなどを製造していました。数年前にコロンバスに買収されてからしばらく市場ではあまり見かけなくなっていたのですが、最近再び独立し新しい形状とラインナップのパーツ類を発表して注目を集めはじめています。

この新生3T(自らTHE NEW3Tと称しています)の特徴はいくつかあります。

カーボン素材を筆頭に高品質な製品をそろえている
超軽量のハンドルバーなど他社であれば強度・剛性が犠牲になることもあるものについても妥協のない性能を与えられています。特にフロントフォークは超高級カーボンフレームブランド「サーベロ」(当店おすすめブランドの一つです)に正式採用されていることからもそのクオリティをうかがい知ることができます。
ポジション調整しやすいラインナップ(当店注目ポイント!)
ハンドルステムは長さ設定が70mm〜140mmというきわめて幅広いサイズ展開で、しかもこれらのすべてに6度と17度(地面とほぼ並行になる)の二つの角度バリエーションが用意され、さらに3つある製品グレードのすべてにこのラインナップを確保しているという徹底ぶりです。
 ハンドルバーであれば「エルゴノヴァ」というモデルは幅設定が380mmからなんと460mmまで用意されています。
 シートポストについてもサドルを前よりに置きやすいセンターマウントタイプと後退させやすいセットバックタイプを共通デザインで用意しており、パーツデザインの統一を図りながら適切なポジション調整ができるようになっています。
おのおの明確な個性とメリットのある製品形状
シートポストやステムの形状にとどまらず、ハンドルバーの曲がり形状やエアロ系ハンドルのデザインなど、ここに紹介する以外にもいままで「これがあれば」と思われてきたような使いやすそうな形状の製品がいろいろとあり、バイクの操作性や快適性をアップしてくれそうです。
トータルデザイン
ハンドル・ステム・シートポストが統一されたデザインになっており、組み合わせて導入するとバイクの見た目がとても引き立ちます。


(2種類の形状のシートポストとハンドルステム)


1)ハンドル形状ノート


(左はロートンドゥ、右はエルゴノヴァ)

ロードバイクのハンドルバー形状を選択するにはとりわけ高度なノウハウを要します。まず乗り手が自分にとって何が必要なのかを判断できなければならないからです。しかしそのこととは別にいろいろな形状のハンドルバーがあって、またセッティングによって非常に幅広い使用感を演出することができるということもこの難しさの原因といえるでしょう。

ここではこれらの課題の入り口としてハンドル形状のバリエーションとその測定の仕方についてごく簡単に触れます。3Tの最新ラインナップはこの点について格好の素材を提供しています。


2)ハンドル寸法の表記法

ハンドル寸法は幅(Widthワイズ)と奥行き(Reachリーチ)、そして高さ(Dropドロップ)の3つの数字で定義されます。
 ワイズはハンドルバー末端部を基準にして測定しますが、メーカーによってバー末端の中心間隔をはかるもの(芯〜芯表記)とバー末端の外側間隔をはかるもの(外〜外表記)があり、ちょうど1サイズ違うことになるので注意が必要です。
 リーチとドロップは下の図のように末端部を水平にした状態でバーを構成するチューブの中心線を基準にはかります(芯〜芯)。
 現在手に入るハンドルを中心に各モデルの寸法を概覧すると以下の通りです。。

 注意すべき点は、ハンドル取り付け角度を上記測定基準角度から変えると実際の握り寸法がリーチ、ドロップともに大きく変化することです。従って実際にハンドルを試したり選択したりするときはハンドル取り付け角度についても具体的に想定して「実質的なリーチとドロップ」を考慮する必要があります。

(1)3Tエルゴノヴァ
流行の「コンパクトシャロー」形状。ハンドル肩の下がり角度が少し大きい特色がある。
この図からは読みとれないがハンドルを正面から見た時に「上すぼまり」のハの字形状をしており、ブレーキレバー部分の幅は製品サイズ表記よりちょうど1サイズ狭くなることに注意を要する。
(2)3Tエルゴスム
ラテン語の標語由来の名称。「コンパクトシャロー」であるがリーチはかなり大きい。前後の握り位置変化を大きくつけたいとき、体格が大きいときに有効。直線的な下ハンドル部分は握って力が伝えやすい。
(3)3Tロートンドゥ
伝統的な「ラウンド」「ストラーダ」型の形状・サイズで、サイズの点から「シャロー」とも呼ばれる。
ステムクランプからブレーキレバーまでの肩部分の傾斜が大きく、ブラケットがやや下がった取り付け位置になるのが一般的。下ハンドルを様々な角度から握れるのが利点であると同時に、下ハンドル握持位置がサドルから遠い(深い)位置になりやすい。

(3Tの現在のモデルラインナップ)


3)「コンパクトシャロー」と「ストラーダ・シャロー」

現在市場にある完成車のますます多くが「コンパクトシャロー」のハンドルを装備されるようになっています。これは伝統的な「シャロー」形状ないしその後現れて来た「アナトミック」形状の発展型と位置づけられます。ここでは大別二つのハンドル形状を比較することにします。

コンパクトシャロー ハンドル肩からのドロップ部分が異なる二つ以上の曲率のカーブで構成されており、下ハンドル握り位置が緩やかなカーブになっていて、下ハンドルを握る位置が浅く体に近くなりやすい形状のもの

  1. ブレーキレバーブラケット位置(以下ブラケット)を普段の握り位置としてここを標準にした場合、そこから下ハンドル握り位置(以下下ハンドル)への距離が小さく、「下がりすぎ・遠すぎ」になりにくい。これは握り位置によるポジション変化が少ないということで、初心者向けのメリットといえる。
  2. ハンドル肩部分からブラケットへの下がり角度が小さく、ここに掌を安定して乗せやすい。これは上級者にとってもメリットになるが、とりわけ上半身がしっかり使えていないため掌に体重が乗りやすい初心者にとっては持ちやすい形状といえる。
  3. 1とは逆に「下ハンドル」を標準としてセッティングした場合、ブラケットが高くなりすぎず力をかけやすい低い位置に抑えることができる。これはレースなどで強く速く走る上級者にとってのメリットといえる。

ストラーダ、ラウンドないしシャロー ハンドル肩からのドロップ部分が単一の曲率のカーブで構成されており、下ハンドルを握る位置が深く体から遠くなりやすい形状のもの

  1. チューブを曲げるハンドルの成型行程が簡単で、古典的な形状。
  2. 下ハンドルが低く、かつ体から遠くなるためダイナミックなポジションチェンジができる。
  3. 下ハンドル握り位置が大きく湾曲しているため後ろからつっこむように握ったり、逆に上から掌を乗せるように握ったりといろいろな角度から下ハンドルを握ることができる。しかしこの湾曲のためにハンドルが掌にしっくりこない(隙間ができてしまう)という問題も指摘されてきた。
    ※この問題のため下ハンドル握り位置を一定の角度で直線にしたのが「アナトミック」形状で、1990年代からしばらく流行しました。しかし全く直線であると握り角度が制限されすぎるということから現在は「コンパクトシャロー」のような緩やかにカーブした下ハンドル形状が好まれていると自分は思います。
    ※※コンパクトシャローのように緩やかに湾曲した下ハンドルのバーは当初「バリアブルラジアス」(可変曲率)と呼ばれ、当時ランス・アームストロングを抱えていたボントレガー社がその嚆矢であると記憶しています。
  4. ストラーダと同じように曲率が一定でありながらより大きなカーブを描くハンドルとして「ディープ」形状が存在し、別名「ベルギー型」といわれたが、現在はほとんど市場からなくなっている。

4)ハンドル選択のポイント

1)幅は体格に合わせよう
肩幅が基準になります。
2)自分が一番大事にしたい握り位置をまず基準にしよう
まず手持ちのハンドルバーで、「自分が一番大事にしたい握り位置」のセッティングを煮詰めましょう。それができてから、そのほかの部分(下ハンドルやハンドル上のフラットな部分)のセッティングを検討しましょう。
3)今のハンドルの不満点を改善できそうなハンドルを試してみよう
2)で検討してみてわかった不満点を改善できそうな形状のハンドルバーを使ってみましょう。ハンドル選択の際にはどういうセッティングをするつもりなのか購入前に相当程度具体的にイメージしておくべきでしょう。

商品紹介のつもりがフィッティングのテキストになってしまいました(笑)。

当店ハイロードはバイクのフィッティングを得意にしていますので、こういったハンドル形状についても具体的にご相談に応じることが可能です。ご興味のあるかたは是非ご相談ください。

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