東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください! |
|
|
ぺダリングの巧拙が測定できる革新的器具、
パイオニアぺダリングモニター講習会参加
|
作成2013/10/09 ・ 更新2013/10/12(アルバムリンク追加) |
今日は都内で開かれた「パイオニアぺダリングモニター」の販売店向け講習会に参加しました。当店でも取り扱いいたしますのでどうぞお気軽にお問い合わせください。
★この日のこの他の写真(パイオニア&ほかの商品もあります)はこちら(ピカサ。別ウィンドウにて)
1)開発3年、ついに登場した”国産パワーメーター”は超ハイテクだった!
パイオニア・ぺダリングモニタシステム
ぺダリングモニタセンサー(クランクに取り付ける測定部分) 15万円税別
※シマノFC-9000、FC-7900、FC-7950への取付用
サイクルコンピューター 8万円税別
※後述のぺダリング効率やベクトル表示を行うために必須
以上のほかフレーム形式によって各種専用BBが必要になる場合があります。また取付できない車体もあります。
★メーカーリンクはこちら(別ウィンドウにて)
【今日聞いてきた詳細】
- 取付は新品クランクでも、お客さんお手持ちの対応品クランクでも行うことができます。
- クランクへのセンサー取付(接着と校正)はパイオニアの工房で、センサー付クランクの車体への取付は指定バイクショップで行います。
- 車体形状によってつけられない場合があるので、受注前に実車について店頭での寸法確認が必要(例:アンカーRIS9は不可、可否の情報はパイオニアウェブサイトに順次掲載予定)。
- データはパソコンを介してパイオニアのクラウドサーバーに保存し、そこからブラウザーで閲覧します。遠隔地のコーチとデータを共有するなどの用途を念頭にした体制です。
- ペダルを別モデルにした場合は精度保証のため工房での再校正が必要です。
- ライダーの日々行うべき、「ゼロオフセット」手続きはごく簡単です。
- 電池交換はごく容易です。
- 今シーズンのヨーロッパプロチーム(ベルキンチーム)でのテスト使用で、過酷な条件での破壊や浸水に対する対策が練られました。ツールドフランスも走破しました。
- チェーンリング交換時に煩雑な調整は必要ありません(ジップタイの付け替えが必要)。
【製品の機能】
- クランクのゆがみから選手のパワーを測定する「パワーメーター」の一種です。
- 左右クランクに独立のセンサーを備え、独自の構造とアルゴリズムでぺダリング時の左右のパワー差を表示できるほか、各ペダルに対してどの時点でどの方向に力が加わっているのか、それは自転車を推進するうえでどれだけ効率的なのかというような情報も記録表示できます(ぺダリング効率、ベクトル表示)。
- サイクルコンピューターにはGPSセンサーもついており、走行中の位置情報も記録できます。
- ”超”高機能ながら他社の一般的な製品(SRMなど)とパッケージ全体としてみた際にそう変わらない価格に収まっています。
(2010年冬段階の試作品映像。すでにぺダリング効率表示が行われている。音が出ますのでご注意ください)
2)浅田顕氏によるぺダリングモニター活用講座
今回の講習会では第二部として、この製品の開発に深く関与してきたエキップ浅田の監督、浅田顕氏によるぺダリングモニター活用講座がありました。この新しい製品を活用する方法のヒントとして非常に貴重な情報をたくさんいただいてきました。
浅田顕氏によるぺダリングモニター活用講座(講義メモによる再現)
第一部 柿木克之博士による研究内容
一般人〜大学選手〜全日本クラス選手、トレーニング開始直後〜競技歴3年以上、競技力低〜高という幅広い層を対象にぺダリングモニタセンサーを使ってデータを収集した。
【観察結果】
1)ぺダリング効率について。
- 負荷が大きくなってくるにつれ効率がよくなる例が多かった。
- ある程度(1時間程度)持続して頑張れるぎりぎりの値(LT強度)付近で効率が最高に近づく例が多かった。
- 効率(ペダルにかかるすべての力のうち、自転車の推進に役立つ成分の割合)は50〜70%台の間におさまり、最も効率のよい状態でも80%程度だった。
2)トルク分布の変化
負荷が大きくなるにつれてトルク分布に変化がみられる場合の、その変化の傾向を観察した。
ある選手は90度(クランクが前水平になった時点)でのトルクが突出して増大した。一方別の選手は60〜120度という広い範囲でまんべんな くトルクが増大した。
これは人によってトルクの増加に対応するための動き方が異なることを示唆している(青山注:数年前からブリヂストン・アンカーラボの研究として同様の指摘があるがそれを裏書きする結果といえる)
3)左右の発揮パワー
負荷が増大するにつれ左右のばらつきが少なくなり左右差が10ポイント以内に収まる例が多かった。しかし負荷が増大してゆくにつれて片足に依存する割合が増す選手も見られた。
【考察】
1)負荷の増大に対して選手は「ぺダリング効率」、「トルク分布」、「左右差」の三つを組み合わせて対処しているが、その組み合わせは選手ごとに異なる。
2)これらの要素の組み合わせはさらに上流の因子である「身体的特徴」、「からだの動かし方(ポジション)」と関連していると思われる。
【応用】
1)ぺダリング効率は最大80%程度まで向上可能。ただしそれ自体を目標にしてトレーニングするのではなく、本来のトレーニング(競技力向上)を行う過程で結果的に効率がよくなっていくという方法論が望ましいと思われる。
2)左右差が10ポイントに収まらないようであれば何らかの修正を考慮したほうがよいと思われる。
第二部 EQAU23(エキップ浅田・アンダー23チーム)での活用事例
- ぺダリングモニタシステムの利点その1 走行中にぺダリングの巧拙が即時にわかるので弱点を可視化し改善につなげることができる。
- ぺダリングモニタシステムの利点その2 走行後にデータを見る時、GPSログにより特定時点での地形条件もわかるので、状況に応じたより客観的な分析とトレーニング指針を立てることができる。
- 一般にぺダリング効率の良い選手ほど後半まで力を温存することにたけている。
- ヒルクライム時(シッティング):ペダルに力がかかっている場面(パワーゾーン)が長いほどよいのではないかと思われる(90度の時だけでなく60〜120度の広い範囲が望ましい)。
- ヒルクライム時(ダンシング):一般にぺダリング効率は大きく低下する。50%台に乗っていればかなりましなほうといえる。また力のかかるピークポイントが移動し、120度あたりにくるのがおそらく最も効率が良い。これは腰がサドルより前に移動して力のかかる方向が変わるためだと思われる。
- タイムトライアル時:ぺダリング効率とポジションとの関係を考慮すべき。この点はまだ検討中。
- スプリント時:90度でのトルクを伸ばすとよい。また、逆の足で積極的にペダルを引き上げると100W程度パワーを上乗せできる(モニターで見ていて逆の足で引いている=逆方向のベクトルが消失しているのが観察できる。これはほかの走行場面には見られない特徴)。
今回の講座に見られるようにパイオニアはこの製品の具体的な活用方法についても研究を続けています。やがては効率的なトレーニングやぺダリングについての貴重なノウハウが一般サイクルストにも手が届くところで発信され始めることを大いに期待しています。
製品の開発は選手の目線で行われてきたようですが、パワーに余裕のない一般サイクリストにとってもぺダリング効率の改善で走りを向上させるメリットは大きいと思います。ぜひお気軽にお問い合わせください。
★この日のこの他の写真(パイオニア&ほかの商品もあります)はこちら(ピカサ。別ウィンドウにて)
サイトマップへ
「ハイロード」ホームページトップへ
COPYRIGHT AOYAMA, HIROYASU 2013 All rights reserved.
(end of page)