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「人命を預かる冬物アンダーシャツ、モンベル・ジオライン」

作成2015/01/16

冬物アンダーシャツはいろいろ試してきましたが、これが決定版かもしれません。

【まとめ】
1)冬山登山で人命を預かる保温力と速乾力
2)高性能なのにお値打ち
3)バイク専用品にまさるとも劣らない使い勝手


登山ではウェアの性能が人の生死を左右する


(ミドルウェイトモデル)

◆モンベル「ジオライン」 ラウンドネックアンダーシャツ
M.W.(ミドルウェイト=中厚手) 4381円税別
EXP.(エクスペディション=厚手・極地遠征仕様) 5524円税別
カラー:ブラック・グレー サイズ:S/M/L/LL

冬場のサイクリングではウェアの選び方が非常に重要です。自転車で力走すれば当然大いに汗をかくわけですが、脚を止めたとたんに外気で冷やされます。休憩するときはもちろんですが、峠の下りなどではさらに深刻です。脚を止めているのに高速で冷たい外気を切り裂いて走るので、非常に急激に体が冷やされてしまうのです。このような過酷な条件のもとで体を守るためにはスポーツウェア、とくにアンダーウェアの性能が重要になってきます。サイクリング専用のアンダーウェアがかなり高額になるのはこのためです。

このように高い性能が要求されることから自分はサイクリング専用のアンダーシャツを長いこといろいろつかってきましたが、価格と性能のバランスに満足できたことがありませんでした。そこで近年専用品以外のアンダーウェアをいろいろ試してきましたが、今回のジオラインがひとつの決定版となるかもしれません。


そもそも上で見たような使用条件はサイクリングだけのものでしょうか?自分は本格的な冬山登山が条件として近い、あるいはむしろより一層過酷であると思います。
本格登山は激しい運動ですので当然発汗量も多く、それでいながら汗による体の冷えは冬山では「低体温症」の危険に直結します。稜線を進む時は強い風にさらされながら進む場合もあります。

このような過酷な使用条件で着用者の生命を左右する重要な装備が登山におけるウェアなのです。そこでこの高性能をサイクリングの時にも拝借しようということから今回ジオラインシリーズをご紹介することにしました。


状況と好みで保温性能が選べる〜「ミドルウェイト」と「エクスペディション」

今回自分はミドルウェイト(MW)とエクスペディション(EXP)の両方を実際に使ってみました。生地に触った感じでは当然ながらEXPのほうがややふんわりと厚手になっていますが、あつぼったくなるような感じではまったくなく、無駄にかさばるような印象はありません。この軽くて厚みのある感覚は生地がダンボールのように二重構造になっているところからきています。これによって暖かい空気をたくさん生地にため込むのです。


(ミドルウェイト)


(ミドルウェイト)


(エクスペディション)


(エクスペディション)

写真では全く違いがわかりませんね(苦笑)。着てみた感じは間違いなく保温力が異なります。またどちらも吸水速乾性能が大変高く、汗による冷えも非常に少ない高性能を体感しました。
※汗冷えをさらに防ぐには、ファイントラック社の「フラッドラッシュ」はっ水アンダーシャツを肌のすぐ上に着ると圧倒的な高性能を発揮します。

東京の冬程度でしたらむしろ着込みすぎて暑すぎる危険を考えたほうがいいくらいです。自分の感覚でいうと、モーニングライドで参加者を先導してゆっくり流して走るような体が温まりにくい状況で、気温が3度、無風、日差しがあまりない状態、という想定であっても厚手(EXP)のアンダーシャツを着てそのうえにウィンドジャケットを着るという二枚のウェアだけで十分快適に過ごせるような感じです。


“究極”をうたう高機能アンダーウェア、ジオラインシリーズ


(高機能のかたまり!クリックすると大きい画像が開きます)


(クリックすると大きい画像が開きます)


欠点はないのか?検討してみた

上のように「これでもか」と高機能を搭載していながら、価格はサイクリング専業のアンダーシャツよりもだいぶお安くなっています。やはり登山のほうがマーケットが大きく量産効果が見込めるのでしょうか。

しかしうまい話には必ずなにか落とし穴があるはず!そこであえて欠点を探してみました。

【ジオラインシリーズの、バイクウェアとして使う際の欠点は?】

欠点その1)「着る道具」なのでファッション性は希薄。イタリア製などの華やかなバイクウェアとは異なる。
 これはまあその通りで、イタリアメーカーのアンダーシャツなどはやはりかっこいいですね。当店でもカステリ社のかっこいいメッシュアンダーシャツが夏用として好評です。しかし、いくらかっこよくても汗で冷えてきたり、それでいて値段も高かったりしたらどうでしょうか・・・。アンダーシャツだからこそ外見よりも機能に注意を払うのが上策と思います。

欠点その2)バイクウェアとはカッティングが異なる。
 サイクリング専用品はサイクリング特有の状況をよく考えたデザインになっています。たとえばタイトなシルエットはエアロダイナミクスのため、前傾するために腰部分(後ろ身頃)が長め、腕を前に伸ばすために脇が動かしやすいカッティングになっている、などです。

こういう点はさしもの「ジオライン」も“専用品ではない以上しょうがない”とあきらめるべきところだと、調べる前には思っていました。ところがこの点について、ジオラインはぬかりなく対策をしているのです。

対策1)「ロングテールデザイン」:後ろ身頃を長めにして、屈んだ時にも腰が出ないように配慮しています。
対策2)「スランテック・アームホール」:胴体と袖の接合部分をラグラン袖のような形状にして縫い目をずらすことによって腕上げをしやすくしています。
対策3)さらに袖口の縫い目もらせん状にずらすことで腕まくりがしやすくなっています(「スパイラル・スランテック・カフ」)。バイクウェアは腕まくりができるようになっていないものがほとんどですから、この点は(腕まくりは好きな人にとってですが)むしろいっそう高機能になっているということができます。


このように薄くて暖かく、汗で冷えにくい高性能な冬物アンダーシャツを使うことで冬のサイクリングのつらい部分がやわらげられ、そのぶん冬でも楽しくサイクリングできるようになると思います。せっかくのスポーツバイクです。冬も元気にアウトドアで楽しみましょう!

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