東京品川・武蔵小山のスポーツバイクショップ、スポーツバイク・ハイロードです。バイクフィッティング、インソール成形、イベント参加などご相談ください!

スポーツバイク・ハイロード
「バイクフィットプログラム」ご利用者の声(2〜追加版)

作成2013/10/31

ことしのリニューアル後に当店のバイクフィットプログラムをご利用くださったお客様より、たいへん好意的なご感想を頂戴しました。作業直後に頂いたご感想はこちら(別ウィンドウにて)でご覧ください。

実施日 2013/10/18
女性 40〜50歳代 身長150センチ台後半
ロードバイク歴6年
作業ご希望内容: 「最近新車を購入したがどうもしっくりこないので原因を確かめ、併せてバイクを調整したい」
走り方のご希望: 「現在楽しんでいる走り方を無理なく続けられるようにしたい」
走る力: 「ショップの走行会に参加すると、グループが35〜40km/hぐらいで走ることもあるがついていくことができる」「月間600km程度走行、ほぼ毎週末走っている」


1.独りで試行錯誤することの限界…全体を見通すことの大切さ
ポジショニングの検証を思い立った一番の理由は、自分の体格に合わせて選んだはずの新車が、「何となく窮屈な感じ」がしていたことでした。サドルを上げたり、後退させたり、ステムを80o、90o、100oと伸ばしてみたり、ヘッドセットのリングを徐々に抜いてみたり・・・自分にできる範囲でちょこちょこといじっていたら、どこがどういう影響を及ぼしているのか余計にわからなくなってしまいました。

これ以上自分でこねくりまわしても埒が明かない、自転車と自分とのベストな関係を知るには、客観的、包括的にマシンとライダーをまとめて診てくれるプロの目が必要・・・そう考えて青山さんにお世話になったおかげで、問題の「窮屈感」が何に起因するかもわかり、具体的な改善点もいろいろ見えてきました。


2.クランク長の問題
私の場合、一番問題だったのは、体格に対して長すぎるクランク(身長の一割+15mm)を無理やりぶん回していたことでした。股関節の柔軟性で何とかカバーできてはいたものの(ハイロードのポジショニングでは、各関節の可動域やアライメントなど、ライダーの身体特性についても細かくチェックが入ります)、やはり無理があるわけで、腰は安定せず、安定しない腰を落ち着かせるため、無意識にハンドルを前に押してバランスをとっていたのです。なるほど、前に突っ張ってつぶれた姿勢で長いクランクを回すのですから、結果として胸と膝が接近した窮屈な状態になるわけです。いくらステムやサドルの位置をいじくっても根本的な解決にならないのは当然でした。問題の所在が解ってスッキリです。

クランク長を適正なサイズにする=私の場合、現状よりも短くすることについては、「クランク長は長いほどテコの原理でパワーが出る」と思い込んでいたので「走りが弱くなるのでは?」という懸念が頭をもたげましたが、そうではないことを青山さんが最新運動理論を基に解り易く説明してくださって納得。そのうえで、どの程度のクランク長で折り合いをつけるかの見極め作業を進めていただきました。


3.なくて七癖
また、腰が不安定なことの他、頭が右側に寄るとか、右膝だけ内側に入るなど、自分では全く意識していなかった癖を指摘していただきました。特に右膝が内側に入る、つまり足が真っ直ぐに踏み下ろせないことは力の伝達上ロスになるばかりではなく、膝関節にもいい筈がありません。指摘を受けて思い当たる節があり、後で昔の走行記録を探して見返してみたら、やっぱり。ここ数年で2回(200km走った後と、耐久レースを走った翌日)、右膝に、痛みという程ではないものの、「鈍い違和感」を覚えたという記録がありました。一回一回の動きのブレは微小でも、長く走ることによってその影響が累積し、疲労とか違和感という形で出たのではないでしょうか。

加齢とともにダメージの回復力も落ちていきますから、僅かでも、どこかに歪みのあるフォームを続けていたら、将来、本格的な故障につながるかもしれません。長く楽しい自転車生活を続けるためにも、今の時点で癖を指摘して頂けて良かったと思いますし、今後はなるべく意識して修正していきたいと思いました。


4.手足と自転車の接点の調整
ハンドルの角度や高さ、クリートの位置の調整もしていただきました。ハンドルは少々送っていただいたら(ハンドルおよびブラケット全体が前&上に回転する方向へ移動すること。青山注)、ブラケットにガツンとぶつかっていた手が、ふわっと収まる感じになり、リラックスできました。ハンドルと手がケンカ状態から仲良しになった感じです。

クリートの位置は少し後退させました。クリートの位置は母指球の下、と言われていますが、もともと私は標準よりも相当前寄りにしていました。長年空手をやってきて上足底に力を込めて蹴る感覚が身に付いており、前寄りに支点があった方が力が入り、ぺダリングも踵が下がらず綺麗な形になるような「気がしていた」のです。でも、ただの「気分」だったようです。(詳しくは後述)クランク長にしても、クリート位置にしても、初心者が根拠の無い「思い込み」に囚われるのはオソロシイと思いました。


5.ハイロード2号大活躍
以上のような、最適なクランク長やサドル高、ハンドル位置の見極めのためのトライ&エラーは「ハイロード2号」という、青山さん手作りの、乗車したままで各部のポジションを自由自在に調整できる優れモノのマシン上で行われましたが、非常に便利で効率の良いマシンで感心しました(廃物利用だと伺って驚嘆!)そして各部調整していただいた後のぺダリングの動画、静止画を確認したところ、我ながら、姿勢が非常に自然な、開放感のあるものになりました。上半身は腕が楽に伸び、画像は横顔で髪の毛に隠れて表情は良く見えませんが、「たぶんこの人、笑顔で乗ってるだろうな」という印象になりました。下半身は体重が真っ直ぐ、ロス無く、しっかりとペダルに伝わっている感じに。目指すものが、はっきり形になって見えてきました。

百聞は一見に如かず。普段は自分の姿を自分で見ることはできませんし、頭の中で思い描くイメージと実際の動きにはギャップがあるものですが、ハイロードのシステムのように、自分のフォームをその場ですぐ画像で確認し、修正点をフィードバックできるというのは画期的です。私は水泳もしますが、マスターズ水泳の技術系練習会では最近、「追っかけ再生練習(プールサイドにモニターを置き、一回泳ぐごとに水中映像をその場ですぐコーチと確認し、またすぐ泳いで撮影、再生・・・を繰り返す)」がかなりポピュラーになってきています。このような、自分の姿を視認しつつ修正していく練習の効果が高いことは良く知っているので、それが自転車でもできるということに感動しました。


6.ポジショニング後の変化
さて、理想の形を実現するため、クランク交換などの大手術は改めて段取るとして、ポジショニング当日はその場でできる応急処置として、愛車のハンドルの角度とクリートの位置の調整をしていただきました。それでお店から家まで11km少々の道のりを乗って帰ったわけですが、ハンドルの握りはすぐに「楽!」と実感しました。クリート位置の後退については、僅かな差ですが、当初は違和感がありました。でも、「慣れた感じと違う」というだけで、不快ではありません。足を回しているうちに慣れてきて、スピードを上げた時に「お、もしかしたらこっちの方が力が入りやすいかも」と思いました。
 たかだか11kmの帰り道ではその程度でしたが、その数日後、90kmほど走る機会があり、そこではっきりと、クリート位置の調整による効果を実感しました。ごく自然に体重がペダルにかかる感じで、スムーズにスピードに乗るようになりましたが、何より感動したのは、膝から下の緊張が緩み、力が抜けるようになったことです。足の疲労が明らかに違います。
 また、タイヤの空気圧についても硬い乗り味が好みで「空気圧が高いほどスピードが出る」と信じてかなり高圧で乗っていたのですが、そうではないことを青山さんの説明で理解し、以前よりも圧を落として乗ってみたら、楽な上に寧ろ速い感じで驚きました。クリートの位置とタイヤの空気圧だけでこんなに違うのか、と新鮮な驚きを感じました。

更にそれからまた数日、ハイロードのモーニングライドに参加した時のことです。気持ちのいい秋晴れの下、皆さんと一緒に楽しく皇居を数周しました。その後、思うところあって一人で更に数周し、後半は自分なりにちょっと頑張って走ってみました。実は1か月ほど前、皇居を同じように頑張って数周したことがあったので、その時と比べてみたかったのです。結果、今回の方が断然快調でした。1か月前は、頑張ったら両足ふくらはぎがつってしまって、7周目で走れなくなってやめたのです。その時は「練習不足だ〜」と思ったのですが、ふくらはぎに負担がかかるクリート位置も問題だったのだと思います。今回は通算10周目でも、ふくらはぎがつったりするトラブルは全く起きず、下りや直線でスピードを出すところでは、なんというか、「伸びる」感じがして(以前はある程度で加速が詰まる感じでした)、気持ちが良かったです。(今回の方が天候は良かったですが、寝不足と仕事疲れがあり、向かい風もきつかったので、条件的に前回より良かったということはないと思います。)帰り道はニコニコしていました。
今後、更にクランクを交換したら、また新しい感覚が訪れるかもしれません。楽しみです。
 
今回、ポジショニング指導を受けたことで、僅かなポジションの違いや、ちょっとした意識の持ち方で、自転車の走行感に大きな差が出ることが身をもってよくわかりました。そして、そういう細かなポイントを専門家に診てもらい、数字と感覚のバランスをとりながら調整することの重要性も。自転車は自由な乗り物ですから、それに乗る人間の頭の中も自由でなくちゃ、と思います。ひとりよがりで非合理的な思い込みに囚われることなく、客観的なアドバイスには素直に耳を傾けたいものです。自転車も人間も年々変化しますから、「これで完成」ということは無いはずで、今後も、いろいろ試しながら、その時その時でベストな自転車との付き合い方を探っていけたら、これからも人生楽しそうだな〜と思いました。

長時間にわたり、マンツーマンで熱心にポジショニング指導してくださり、その後も懇切丁寧なフォローを続けてくださっている青山さんには本当に感謝しています。

(ハイロードより)本当にわかりやすく素晴らしいレポートをありがとうございます。これからも勉強してよりよいフィッティングができるように努めます。

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